先日、アメリカで発売されたばかりのSamsung Chromebook 2を買いました。
Chromebook 2には11インチモデルと13.3インチモデルがあり、解像度(11インチ: 1366 x 768, 13.3インチ: 1920 x 1080)と、CPUのクロック(11インチ: Exynos 5 Octa 5420 1.9Ghz, 13.3インチ: Exynos 5 Octa 5800 2.1GHz)が違います。
ちなみに13.3インチモデルは、定価$400。米国国内で買っても送料や税金を合わせると$450。
安価が売りのChromebookなのに結構なお値段ですね。
普通に安いWindowsノートPCが買えてしまうのに、あえてこれを買ってしまうマニアックな皆様に向けてのレビューをお届けします。(笑)
中身は普通のChromeOSですので、そちらは他のレビューに譲るとして、本体の紹介に入りたいと思います。
まず付属品ですが、本体以外に入っているのは、「ACアダプタ」のみです。潔いですね。マニュアルも何も入っていません。
ACアダプタ自体は40Wの小型軽量で持ち運びも問題ないのですが...問題はアダプタに付属しているケーブルが太い&US仕様の3極なのです。 何も考えず、3ピンミッキータイプのACアダプター用ケーブルに交換しましょう。これはおすすめです。
本体の重量は約1.4Kg。手元のあるAsus Zenbookの13.3インチモデル(UX31E)と大きさと重さがほぼ同じでした。 ということは、MacBook Airの13インチモデルともほぼ同じサイズ感のはずです。
デザインはシンプルで主張しない感じです。悪くはありませんが、特に優れてもいません。素材はプラスチックですが、色やフィニッシュが工夫されており、安っぽさは感じません。指紋もつかず、傷も目立たない感じなので、普段使いには良いのではないでしょうか。(但し、トップパネルのなんちゃって革風なステッチは不要。)
キーボードは(当たり前ですが)US配列です。お陰で余計なキーがないので、キーピッチはいいですね。
適度なストロークとキーの中心を凹ませているようで、打鍵感も悪くありません。
好みもあるでしょうが、Zenbookよりは間違いなく良いです。
タッチパッドはなぜかシルバーの縁取りがされています。大きさ、滑りとも特に不満はなく、合格点だと思います。
さて、いよいよ本機の唯一かつ最大の特徴であるFull HDディスプレイ。
13.3インチでFull HDの解像度だと、いわゆるRetinaディスプレイとほぼ同等。
高精細でも反応速度は悪くなく、Full HDでの動画再生にもストレスは感じなかったです。(内蔵スピーカーの音質も悪くないです。映画とか十分見られます。)
ちなみに本機はグレア(光沢)液晶ですが、ARコーティングされているので映り込みも少なく、読みやすいです。しかしながらIPSではなくTN液晶ゆえ、品質はそれなりです。視野角は左右は特に問題無いですが、上下は狭く、発色も良いとはいえません。色味が青っぽく、ThinkPadのディスプレイのような感じなのが気になります。
普通のPCならば色温度やガンマの変更ができるので調整すれば済むことですが、Chromebookでは変更はできない(と思う)ので、こういう点は悩ましいところです。
最後に処理速度です。
このExynos 5 OctaというCPUは、4コアのCPUが2つ、合計8コアというARM系の面白いCPUです。
Samsungの前モデルやhpのChromebook 11が、Exynos 5の2コア1.7GHzのモデルだったのですが、速度に不満があるというレビューがありましたので少々心配していましたが、実際には全く問題ありませんでした。
(Google Octane 2.0 scoreは6843でした。参考までにintel Z3740Dを積んだDell Venue8 Proは4533、Nexus 5は4834、Celeron 2955Uを積んだAcer C720は11,431でした。)
確かにベンチの数値上では、intel Haswell系のクロームブックには勝てませんが、Chromebookで使うような作業においては体感できるような差はなさそうです。ちなみにモバイル用CPUとはいえ、それなりに熱くなりますので、夏場に膝に乗せて長時間の作業は厳しいですよ。
総評:高解像度ディスプレイは魅力的ですが、Chromebookではそれを生かせるアプリケーションに限界がありますので、宝の持ち腐れであります。
価格、性能のバランスを考えれば、ToshibaのChromebookをおすすめしますが、わざわざ輸入してまでChromebookを買うようなガジェットマニアな皆様には、ぜひオススメしたい迷機です。