ふとしたことから4枚ドアの車が必要になり、散々悩んで試乗を繰り返した挙句、3年半を共に過ごしたメルセデスC180スポーツクーペとお別れし、イプシロンをお嫁にもらうことにしました。

さて、この3代目ランチア・イプシロンは、イギリスと日本のみクライスラーブランドで販売しております。イギリスはランチア撤退してるんですね。お互い右ハンドル仕様ということで何かと好都合ということなのでしょう。



ご覧のように一癖も二癖もあるデザインなので、最初見た時には「なんか微妙?」って思ったのですが、見慣れると良いんですよね。この唯一無二な造形が。

最初に試乗した際も、メルセデスとの格差に「全然ダメだな」と思ったのに、妙にひっかるんですよね。ドイツ車とイタリア車の根本的な違い以上の何かがある。そんな車です。

ちなみに同じプラットフォームで同じエンジンのフィアット・パンダにも試乗してみました。大きさもほぼ変わりませんが、四角い構造なので後部座席は広いですね。日常的に大人が後席に乗るならパンダで決まりでしょう。イプシロンは完全にデザイン優先で居住性は犠牲にしています。しかし、AMT(フィアットでいうところのデュアロジック)のチューニング、静粛性、ボディの剛性感、といった全体的な完成度という意味ではイプシロンに軍配が上がります。

イプシロンは予想通り(苦笑)、不人気車ということで、実売価格はパンダとほぼ変わらないんですよね。リセールバリューを気にしなければ、かなりお買い得。

ちなみに気になるところをあえて3点あげると、こんな感じです。

  1. ブレーキの効きがピーキーでカックンブレーキになりやすい。
    特にメルセデスから乗り換えると相当気になります。日本車からならそうでも無いかもしれませんが。まあ、慣れの問題もあるとは思います。ちなみにペダルの配置は悪くないです。
  2. ナビの設置場所がない。
    オプションと同じ運転席右前のダッシュボードに設置したのですが、ハンドルの影に隠れちゃうので視認性が悪いです。あえて置くなら、窓ガラスに吸盤で貼り付けて高めの位置ですかね。
  3. アイドリングストップ機能が怪しい。
    信号待ちしてたら、エラーがでて再始動しなかったことが...。エンジンかけ直しただけでOKでしたが、カッコ悪いですよね。信号待ちでエンストしたみたいで(笑) つまり常時OFFでしょう。ECOモードもOFFじゃないとダルすぎます。燃費とか気にするなら素直に別の車買いましょう。

結論

買った自分が言うのもなんですが、この車、全然売れないと思います。
この仕様に魅力を感じる購買層と、メーカーのターゲットセグメントがマッチしていませんから。

クライスラーはこの車を女性(F2層)向けにマーケティングしているようですが、デザインはともかく中身がマニアックすぎる。ツインエアーのエンジンを評価したうえで、あの癖のあるAMTを使いこなす(許容できる)ような女子って、寧ろもっと男らしい車のほうが好きでしょうし、Bセグメントの小型車に200万円以上って完全にエンスー向けですよね。

でも、僕は全く後悔していませんよ!(笑)