カテゴリ:

商社で働いていた20代後半の頃、仕事でも成果が出るようになり、生意気盛りだった僕は、会社のマネジメントに文句ばかり言っていました。

その日も上司と飲みながら、会社の制度やら組織の問題について愚痴っていると、

「じゃあ、お前が経営者だったら、どうする?」

と聞かれ、思わず黙ってしまった。そんなことは考えたことがなかったから。

 

暫くして、自分ならこうすると提案したら、上司はあっさりと

「じゃあ、実際にやってみたらどうだ?」と言いました。

「自分は経営者どころか、管理職でもないから…。」と思わず弱気な返事をすると、

「立場は後からついてくる。常に一つ上の立場で考えろ。それができるかどうかでお前のこれからの会社人生が決まる。」

view from aboveview from above / ▓▒░ TORLEY ░▒▓

それから、なにか問題があった時には、まず「自分がマネージャだったら、どうする?」と自問するようになりました。

不思議なことに、一つ上の立場になったつもりで考えてみると、まるで俯瞰するように、問題の全体像がみえることに気が付きました。一つ上からの視点へと変わると、自分の気持ちにも変化が起き、これまで文句を言っていた事柄も他人事ではなくなり、課題の一つになりました。

それから暫く後、実際に管理職になりましたが、その上司のお陰で、管理職としてやるべきことに迷うことはありませんでした。

あれから10年が経ち、より経営に近い立場になった今、「自分が社長だったら、ここはどうする?」と自問するようにしています。

社長より上の視点

では、社長より上の視点ってあるのでしょうか? 

株主は、社長より上の立場といっても良いでしょう。

一概に株主といっても、多種多様な形態があり、ちょっと形が見えません。しかし、企業価値を高めるという点においては目的を一にしていると言えると思います。

そういった観点からみると、バイアウト投資を行うPEファームというのは、最も分り易い形態かもしれません。彼らは会社自体を商品とみなす、プロの株主ですから。

以前、プライベートエクイティ 6つの教訓 という、PEファームが投資先企業の企業価値を向上させるために行なっている方法論が書かれた本を読んだことがあります。

ちなみに、ここであげられている6つの教訓とは、

  1. フルポテンシャルを見極める
  2. ブループリントを策定する
  3. 成果を加速させる
  4. 優れた人材を徹底的に動員させる
  5. 自己資本を働かせる
  6. 結果主義の組織風土を醸成させる

と、非常にシンプルかつ当たり前の内容です。久しぶりに読み返して見ましたが、改めて、当たり前のことをきっちりと実行することが、一番難しいと感じました。

現場で働いていると、株主視点から考えることは現実離れしているようで難しいものですが、時には自分の仕事が「企業価値の向上に貢献しているのか」という点で見直してみると、違って見えるかもしれませんね。