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2009年7月、アマゾンが8億5000万USDで買収を発表し、日本でも一躍有名となったオンライン靴店のZappos。 先日、ZapposのCEOであるトニー・シェイの自伝的ドキュメンタリー、ザッポス伝説―アマゾンを震撼させたサービスはいかに生まれたか(原題 "Delivering Happiness: A Path to Profits, Passion, and Purpose") の電子書籍版を読みました。

Zappos TourZappos Tour / Robert Scoble

Zapposの成功要因

  • 顧客満足に直接つながる競合優位性 (カスタマーサポートにおいて業界ナンバー1)
  • 従業員間の協調性を重んずる企業文化 (社員をファミリーとして考えるチーム主義)
  • 株主に配慮しつつ、長期的視点に基づく資本政策 (投資家の利益と経営者の意思を両立するExit戦略)
  • Zapposが短期間で大きく成功したのは、これらの成功要因を実現するための"組織を動かす仕組み"づくりが上手なことに尽きます。具体的には、従業員は日々の業務において、常に10のコアバリューをその行動基準にすることが求められているのですが、この"10のコアバリューの実践=社員の自己実現"となるように設計されていることがポイントです。(10のコアバリューの詳細については、是非書籍を購入して確認してみてください。) ここまで徹底していると、思想統制的な要素を持つ嫌いもあるのですが、この規模の組織を強固にまとめ上げるには、多かれ少なかれ、カリスマ経営者によるこの手の方法論が必要なことは否めないとは思いますので、ここでは敢えて批判はしません。

    日本型経営を見直す

    この本を読んで真っ先に考えたのは、「これって典型的な日本型経営だよね?」ということ。昨年話題になったプレゼンテーションzenの中でも、日本人が本来もっている美意識が日本人のプレゼンテーションに反映されていないことが指摘されていましたし、個人的にもアメリカ人VPから「何故、君たち日本人なのに、トヨタ式カイゼンについて知らない人が多いの?」と問われることがありました。 残念ながら、事実、今の日本のビジネスの進め方は(一昔前のMBA式)欧米型方法論に踊らされ、結果的に米国の後塵を拝することになっています。 この長期に渡る不況を打開するブレークスルーは、忘れられてしまった「おもてなしの精神」「企業一家意識」「株主最優先でない経営スタイル」といった日本の企業文化の良さを改めて見直し、経営に生かすことなのかもしれません。