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事業開発担当者にとって、競合より早くビジネスを立ち上げ、効果的に運営する仕組みを構築することは最も重要な課題です。特に、ベンチャー企業やこれまでの主力ビジネスと異なる領域での事業に踏み出す際には、パートナー戦略が鍵となります。 partnership agreement
partnership agreement / o5com
その際、パートナーの「座組み」も重要ではありますが、事業開発担当者として気を使うべき部分に、パートナー企業との契約形態の決定があります。 契約は法務に任せっきりという方も多いかとは思いますが、法務にお願いする前に、*ビジネスモデルのレベル*で事業開発担当者が知っておくべき、2つのパートナー契約について説明します。
###(1)セールスパートナーとの契約 新しい市場や商慣習が特殊な市場に向けて商品を販売する際には、その市場に強いセールスパートナーの販売力を借りるケースが多いと思います。セールスパートナーには、大きく分けて以下の2種類があります。 > *1. 代理店契約の場合* > >  販売委託者(製造者)
>   ↓
>  代理店(商品の売買の仲介を行う。いわゆるエージェント)
>   ↓
>  購入者(ユーザ)
> > > *2. 再販契約の場合* > >  販売委託者(製造者)
>   ↓
>  再販店(商品を仕入れ、再販売する。いわゆるリセラーやディストリュビューター)
>   ↓
>  購入者(ユーザ)
この二者で大きく異なるのは、購入者との契約が直接行われるか否かという点です。従って、販売委託側から見たメリット・デメリットは以下のようになります。 > *代理店型のメリット*
> 販売委託側の意思が反映され易い。例えば、製品の販売価格や販売先に関して独占禁止法等の制約を受けにくく、コントロールが可能。 > > *代理店型のデメリット*
> 購入者と直接売買契約をしているため、購入者からの代金回収に関するリスクを自ら負う。また、同様に購入者に商品が渡るまで、在庫リスクが存在する。 > > *再販店型のメリット*
> 再販店との間で売買契約が行われるため、購入者からの代金回収リスクを負わず、在庫リスクからも早期に解放される。 > > *再販店型のデメリット*
> 再販価格や販売方法に関して、販売委託側の意思を反映することが難しい。 その他、二次代理店の許可、独占販売権の有無という点も販売戦略上、考慮すべき点です。 ###(2)業務委託先との契約 新規事業を立ち上げるにあたり、自社内では対応ができない、あるいは効率が悪い業務に関しては、作業を外部パートナーに委託するケースもあるかと思います。業務委託にも大きく分けて2種類の契約のタイプがあります。 > *請負契約*
> 請負契約は、業務の「完成」を目的としているため、完成するまで委託料が支払われない契約です。また、業務の成果が「成果物」の作製である場合には、請負者は成果物に不具合があった場合、修正する責任(瑕疵担保責任)を負います。 > > *準委任契約*
> 一方、成果物が明確でない業務(コンサルティング等)を委託した場合、準委任契約を結ぶことになります。準委任では、成果に対して責任を負わないものの、委任者は善管注意義務に従い、一定水準の成果をあげる義務があり、委託者はその成果に対して委託料を支払うことになります。 自明かと思いますが、成果物が明確に定義される業務であれば、委託者としては請負契約として結ぶことが望ましいです。従って、業務委託契約がどちらのタイプになっているのかを認識しておくことは重要です。 もし、準委任契約で結ばざるを得ない場合であれば、業務内容やプロセスを詳細に定義し、作業内容を明確にしておきましょう。 これらのポイントは、逆に他社のパートナーとなる際にも留意すべき事項になりますので、事業開発担当者はパートナー戦略を策定する際のリスク管理の一環として頭に入れておきましょう。